日本で引退生活 エステートプランの準備

引退計画を立てる上で、引退資金の準備の次に欠かせないのは エステートプランや遺言書の準備です これは絶対に必要ですよ 残された人の為に必ずやっておきましょう

エステートプランの作成

アメリカではエステートプランの作成は不可欠です 資産もなく、ご家族もいない方は必要ないでしょうが、持家があり、お子さまがいらっしゃるとなれば用意しておくべきです 人はいつどうなるかわかりません 残された家族の為にエステートプランは必要なのです 引退資金は自分の為に、エステートプランは残された家族の為に準備するものです

リビングトラストとエステートプラン

リビングトラストがあると、プロベートが回避できるということはなんとなく知識として知っている方が多いと思います ほんとにそうでしょうか? リビングトラストだ・け・で 、プロベートが回避できると思いますか?

リビングトラストだけでプロベートを回避できると思っている方は、おそらく知識だけで、実際にリビングトラストをおつくりになってはいないと思いますが、いかがですか? リビングトラストとは、エステートプランの一部です リビングトラストを作る際にエステートプランを作るのが普通です

エステートプランとは、リビングトラストや遺言状などを含めてのプランです 

  • リビングトラスト
  • トラストに含まれていない資産についての分配指示
  • 未成年の子どもの後見人の指名
  • 遺言状
  • 委任状(判断不能に陥った時の財産上の判断を本人に代わって行うための委任状)
  • 医療指示書(医療に関する意思決定を支持した文書)
このようなものが含まれます

必要なものが全て揃わなければ、遺産の分配は完了しません リビングトラストのみ、遺言状のみでは不完全なのがおわかりでしょうか


エステートプランを作る時期

それなりの資産がおありでしたら、すぐにでもエステートプランが必要ですが、普通はなかなか準備できなものです 家を購入したり、大きな資産の動きがあった時に思い切って作成するのがいいかと思います 我家では、息子の大学進学前に作成しました ずっとやっておかなくてはと思いつつ、先延ばしになっていましたが、親として大学進学の準備の一環としてやり遂げました

アメリカの大学の学費は莫大です 親にもしものことがあれば、真っ先に学費を心配しなくてはいけません こどもが無事に大学を卒業できるようにしておくのが親の義務でしょう 万が一、何も準備することなく両親のうちどちらかが亡くなれば、プロベートは回避できません プロベートになれば、財産は勝手に動かすことが出来なくなります たちまち家のローンが払えなくなったとしても、プロベートが終了するまでは勝手に家を売ったりはできないのです これは大変なことですよ 残された家族を守るためにエステートプランは必要なのです

見直しも必要

一度作成したエステートプランもずっとそのままにしておいてはいけません 定期的に見直しが必要となります 家を売ったり、買ったり、資産に変化がおきた時は、内容を書き換えておかなければ肝心な時に役にたちません

我家は、日本に帰国前に最終の見直しをする予定です


エステートプラン作成の流れ

これは思っていたより、ずっと簡単でした 事前に自分で準備するものなど何もありません 大事なのは遺産管理の専門の弁護士さんにお願いすることです 専門外でも引き受けて下さる弁護士さんがいらっしゃるかもしれませんが、絶対に専門の方にお願いするべきです 

我家では専門の弁護士さんを見つけて、予約を入れました 事前に、質問書を頂きましたので必要事項を記入して持参しました 後は、後日出来上がったエステートプランの必要箇所にサインをするだけです 我家などはたいした資産もありませんので、簡単でした こんなに簡単な作業で残された家族を守れるなら、もっと早くにしておいてもよかったと思いました 弁護士費用は少々かかりますが、プロベートになってしまってからでは遅すぎますので、家族を守るためなら安いものですよ


日本の遺言書

アメリカの財産についてはエステートプランを準備していますが、これから永久帰国するにあたり、日本の遺言書も用意する予定です 今後は、日米で財産がわかれます 日本には日本の遺言書で相続が滞りなく完了するように準備しておく必要があります

遺言書があったとしても、家族によっては揉め事が完全には回避できないのが日本の相続です 遺言書があったとしても遺留分が法律で守られています

日本の遺言書も相続に強い税理士さんや弁護士さんにお願いして作成しておくべきです 日米に財産が分かれる以上、普通の相続より間違いなくやっかいな相続になるわけです 我家も日米の相続に詳しい方にお願いするつもりです


身近な例

プロベート物件は家探しの時に散々見てきました アメリカでは普通のことです お年寄りが亡くなってなにも準備されてなければプロベートになります 亡くなったお年寄りは、ご自分が資産家などとは考えておられなかったのでしょうが、カリフォルニアの家の値上がりはすさまじく、亡くなった時には大変な資産になっている場合が多いのです(どんなにボロ屋でもです)

ちょっとしたお知り合いの方で、急にご主人を亡くされた方がいらっしゃいまして、進行の早いお病気でほんとにあっという間に亡くなられたのです もちろん、といいますか、エステートプランなどご用意されてはいませんでした プロベートも聞いたことがなかったのではないかと思います 残された奥様は家が大きいので売って、小さなコンドでも買うというお考えでしたが、私はそんなことが簡単に出来ないのがわかっていたので返す言葉が見つからなかったのです

立派な社会人のお子様もいらっしゃいましたが、ご家族のどなたもご主人さまのご存命中にこれから起こるべく相続の大問題に気づいた方はいらっしゃいませんでした 亡くなられたご本人もご存知なかったことでしょう

その後の事は、あまり親しくないのでよくはわかりませんが、家を売ることなくそのままお住まいになっています プロベートが無事に終わったのかどうかもわかりませんが、大変だったことはお察ししています

まさかの時に備えておくことは大事だと思いを新たにしました 知識ばかり蓄えても、実際に行動しなければいざという時に役に立たないのです








2 件のコメント :

  1. うちはまだEstate Planはしていません。お書きの通り、色んな面であったに越したことはないと思います!それでも作っていない理由は無くてもなんとかなると考えているからです。以下私の認識です。そもそもProbateに行く資産ですが、全ての資産がProbateに行くわけではありません。基本は配偶者一人の個人名義になっているものだけがProbateに行くと認識しています。また一人の名義でもIRA,401K、生命保険など受取人が指定されている物はProbateには行きません。銀行口座もJointで持っている物はProbateには行きません。不動産(家)もJointでTitleを持っているもの(community property with right of survivorshipも)はProbateには行きません。というのが私の認識なので今は無くてもなんとかなると考えています。夫婦一度になくなることが無い限り。私はCAに在住ですが、それでも州をまたいで不動産がある場合はややこしいようですが、うちはそういうのは無いので。

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    1. すかい さん:

      ご自分の信じる方法がおありなら、それでいいと思いますよ 我家はこれから日本に帰国し、日米に資産がわかれます ややこしい家族構成もありますので、全て万全に備えて行動したいと考えています 資産状況は個人で違いますので、みなさまが同じ方法とは考えません それぞれの方に合った方法を選ばれるといいでしょう

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