アメリカ大学事情 その29

久しぶりに大学事情シリーズです 今日はとてもいいニュースをお伝えします 大学卒業後にメディカルスクールの進学をお考えの方に朗報です


NYU のメディカルスクールは授業料免除を発表

The New York University School of Medicine は、授業料を免除することを発表しました 素晴らしいニュースです

詳しくは Forbes の記事をご覧下さい

In a surprise announcement today, the New York University School of Medicine said that it will pay the tuition of all its students regardless of merit or financial need, becoming the first major American medical school to do so. NYU made the announcement at its annual White Coat Ceremony, where new students are presented with white lab coats to mark the start of their medical education.(参照元:Forbes



高騰するメディカルスクールの学費 

アメリカでは、医学部というのはなく医者になるには 大学卒業後に メディカルスクールに行かなくてはいけません  4年+4年 で合計8年かかります 大学の学費も高騰していますが、プロフェッショナル・スクールの学費でも例外ではありません 8年も高額の学費を払い続けられる財力がなければ医者にはなれない状況です

Forbes の記事によりますと Association of American Medical Collages の発表では 卒業した医学生の負債額の中央値は、192,000ドルということです  おそらく他のプロフェッショナル・スクールでも(ロー・スクール)などでも同じような状況と思われます

取り返せるのか

我家の息子も大学入学時は、プロフェッショナル・スクールに進学を希望していました 他にも数人、志を同じくする同級生がいましたが 卒業まであと一年となった現在、そのほとんどの学生が別の進路に変更しています 息子も私たちの反対を押し切り、自分の将来を決めました 親としては専門職に就けば、安定しているのではという考えだったのですが、息子の方はもっと深く考えていました

4年+4年 、時間もお金もかけて、果たしてその投資と時間が取り返せるのかと考えに考えたそうです 私共ももう少し若ければ息子を支えることもできますが、一人前になるまでに確実に引退する身では、息子の気持ちと考えに最終的には納得しました 息子の大学でもプロフェッショナル・スクールに進む学生が昔より減ってきていると感じます 投資に見合わない進学とみなされているのではないでしょうか

息子は半年間イギリス留学をしましたが、イギリスの大学は3年で卒業します MBA は1年で終了します 2年かかるアメリカより、イギリスの大学のMBAを目指すと言っています これもイギリスに留学した収穫でした 確かに、2年より1年の方が経済的負担も少なく、早く実務に復帰できるわけです

夫の娘たちがフルタイムの仕事に就いたのは30歳をとうに過ぎてからです 大学卒業後、多少の経験を積みつつ、Master、PHD と進み いつになってもフルタイムの仕事には就きません 学歴ばかり積み上げても、実際の収入には結びついていません そんな姉たちをみておりますので、息子も何を勉強するのか、どうすれば稼げるのかということをとにかく考え尽くしたようです 娘たちは結婚してなんとか生活できていますが、息子はいづれ家族を養っていかなくてはいけませんので、ここはしっかり考えたようです

息子の決定は、プロフェッショナル・スクールに進学したのでは30歳になるまでまともに稼ぐことができないので、もっと違う道を進むということでした

親としては安定した方向に進んで欲しいものですが、こちらが生きている間に一人前になってもらうことも大事なのではないかと思い直しました





メディカルスクールの合格は難しくなる一方

アメリカで高額所得を狙える職業と言えば、医者なので 近年、メディカルスクールの合格は益々難しくなっている傾向にあります Forbes の記事にもあるとおり、より収入の多い専門分野を目指す医学生が多く、高収入に結びつかない 内科、小児科、産婦人科を敬遠する傾向にあるとのことです

授業料免除の発表により、来年以降 NYU メディカルスクールの合格率は驚異的に低くなりそうな予感がします これにより優秀な学生を一気に集めることができるのではないでしょうか UCLA David Geffen School of Medicine にも Geffen スカラシップがあり、以前にも増して合格するのは至難の業となっています 

アメリカでは最早、軽い気持ちでメディカル・スクールを目指すことはできない状況です 十分な財力と学力が必要とされています






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